目が赤くなる充血の症状について
白目やまぶたの裏側は、毛細血管が豊富な結膜に覆われています。目の疲れや乾燥、細菌感染・アレルギーによる炎症は、結膜の毛細血管を拡張させて、白目やまぶたの裏を充血させます。
一時的な充血は日常的に起こることが多い症状ですが、早急に適切な治療が必要な疾患の初期症状として現れている場合もあります。また、日常的な原因で起こっている充血を放置してしまうことで疾患につながる可能性もあります。
健康な目を守るために適切な予防やケアを行い、改善しない場合は早めに眼科を受診してください。
充血を起こす原因
まばたきの減少
パソコンやスマートフォンなどの画面を見ている際には集中するため、まばたきの回数が極端に減ります。まばたきは目のすみずみに涙を広げ、涙の分泌を増やす重要な役割を持っています。
まばたきが減ると目が乾燥し、長時間近距離を凝視することでピントを合わせる筋肉に疲労がたまって充血を起こします。ドライアイを発症しやすい状態であり、注意が必要です。
眼鏡やコンタクトレンズが合っていない
眼鏡やコンタクトレンズの度数が合っていないと、ピントを合わせる筋肉に絶えず大きな負担がかかり、目が疲労して結膜の毛細血管が拡張し充血します。
花粉・ハウスダストなどのアレルギー
アレルゲンの刺激によって結膜が炎症を起こし、充血を生じます。花粉などの決まった時期に現れる季節性と、ハウスダストなどの通年性に分けられます。
感染などによる炎症
結膜や角膜の炎症によって充血が生じることがあります。
ウイルスや細菌などの病原体感染によって生じている場合、強い痛みやかゆみを起こすことがあり、視力障害につながる可能性もあります。またウイルス性結膜炎は感染力が非常に強いため注意が必要です。
結膜の出血
充血と違い、白目の一部や全体が絵の具を塗ったようにベッタリ赤くなる状態で、結膜下出血と呼ばれています。
くしゃみや咳、高血圧、目への打撲などで生じ、ほとんどの場合は10日前後で徐々に吸収され、いずれきれいな白目に戻ります。他に症状がない場合は特に視力低下などの心配もありません。
充血の症状を起こす主な疾患
ドライアイ
涙の分泌不足や質の変化によって目の表面が乾いてしまう状態です。長時間のスマートフォン・パソコンの使用、エアコンによる室内の乾燥、長時間の運転などによって生じることが多いです。
角膜に酸素や栄養素が行き渡らなくなるため、充血、目のかゆみ、目が疲れやすい、ゴロゴロする異物感などの症状が現れます。
結膜炎
アレルギー性、ウイルス性、細菌性の3種類に大きく分けられ、症状や治療法などが異なります。アレルギー性の場合は強いかゆみと充血、まぶたの腫れを起こします。ウイルス性では感染力が強い流行性角結膜炎(はやり目)が多く、発症した場合には治ったと医師が判断するまで登校・登園できません。
細菌性では黄色っぽい目ヤニが増えることが多く、自然治癒することもありますが重症化する可能性もありますので、免疫力の弱い子どもや高齢者の場合は早めの受診が重要になります。
角膜炎
目の乾燥や異物によって角膜が傷付いている、または感染によって角膜が炎症を起こしている状態です。充血以外に、目の痛み、ゴロゴロする違和感、涙が増えるといった症状を起こします。
充血予防のために
こまめに休憩しましょう
パソコンやスマートフォンを使用する場合は、こまめに休憩をとって目を休めましょう。1時間に10分程度、目を休めることを目安にしてください。ストレッチなどを行うのも有効です。
また、窓の外など遠くを見るのもピントを合わせる筋肉のリラックスに役立ちます。ホットタオルでまぶたを温めると血行改善によって充血の解消につながります。
パソコンなどの画面は適切な距離、位置、角度にしましょう
画面は視線を少しだけ下向きにして見ると目が疲れにくくなります。
また、モニターからは40cm程離れるようにしましょう。適切な画面の高さ、角度、距離にすることで目への負荷を緩和できます。イスの高さも含めて、調整してください。
湿度を保ちましょう
エアコンを使用している室内は年間を通じてかなり乾燥しています。加湿器を使うか、濡れたタオルを近くにかけるなどによって適切な湿度を保ってください。また、エアコンやサーキュレーターの風が直接顔に当たらないよう、遮蔽物を置くことも重要です。
明るさを調節しましょう
読書や手元の細かい作業を行う際には、十分に明るくしてください。照明が暗いと目が疲れやすくなります。パソコンを使う場合は、読書のときよりも少し暗くする方がよいとされています。
まばたきを意識的に増やしましょう
パソコンやスマートフォンの使用時、読書、長時間の運転など、集中して注視する際には極端にまばたきの回数が減っています。こうした場合には、意識的にまばたきの回数を増やすよう心がけましょう。まばたきの回数が増えると涙の分泌量が増え、充血を防ぐ効果があります。
目を擦らないようにしましょう
まぶたは皮膚が薄く感覚も鋭敏でデリケートであり、ちょっとした刺激で腫れや赤みを起こすことがあります。また、まぶたや目の縁、まつげなどに触れることで手に付いた病原体が目に入ってしまうリスクもあります。
眠気や軽いかゆみがあっても目を擦らず、できるだけ目やまぶたには触れないよう心がけてください。
ビタミンの適切な摂取を心がけましょう
目の健康には、ビタミンA・C・E・B群が有効とされています。緑黄色野菜、果物、タンパク質、ナッツなど、様々な食品をバランス良く食べて、特定のビタミンの不足を起こさないようにしてください。